Speaker
怜一朗 早川
(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)
Description
暗黒物質粒子と、熱平衡にある標準模型粒子との間の相互作用項がある場合、暗黒物質粒子は温度に依存する有効ポテンシャルを受ける。この有効ポテンシャルにより、初期宇宙の高温環境下で暗黒物質の場を励起し、観測と整合する残存量を得ることができる。これをthermal misalignment dark matter という[1]。
本発表では、我々の論文[2]に基づき、暗黒物質であるスカラー場$\phi$と電磁場が$\dfrac{\phi}{M} F^{\mu\nu}F_{\mu\nu}$ ($M$は定数、$F_{\mu\nu}$は電磁場の強さ)…(☆)という項を通じて相互作用する場合のthermal misalignment機構について紹介する。
当該論文では、thermal misalignmentによって生成される暗黒物質の量を、$\phiの質量$、$M$、再加熱温度をパラメータとして計算した。同様の状況を考察した[3]の結果を補完し、電弱スケール以上の温度において標準模型の$SU(2)$と$U(1)$場が(☆)に寄与する割合によって、残存量が10倍程度変化することを指摘した。さらに、$\phi$が崩壊する際に放出されるγ線が、今後の観測によって検出されうることを示した。
[1]https://arxiv.org/abs/2109.04476
[2]https://arxiv.org/abs/2604.05326 (JHEPに投稿中)
[3]https://arxiv.org/abs/2408.16816
Author
怜一朗 早川
(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)