Speaker
Koichiro Yasuda
(UCLA)
Description
近年急速に発展する極低閾値の量子センサーは、ごく小さなエネルギー変化まで捉え、これまで手の届かなかった低速度ダークマター(DM)への扉を開きつつある。局所 DM の速度分布は理論からも観測からも精度よくは分かっておらず、低速度領域こそ従来の直接検出が苦手とする"死角"である。本研究では、極低閾値の量子センサーによるDM-電子散乱について、観測される事象率を「検出器・模型に依存する応答」と「全実験に共通な速度分布由来の量」とに分離する、凸幾何学に裏付けされた DM ハローモデルに依らない解析手法を構築する。物質応答の異なるTES(超伝導転移端センサー, Al)型とMKID(力学的インダクタンス検出器, TiN)型が、互いに相補的な速度域を探ることを示し、標準ハローモデル・ダークディスク・地球束縛成分の模擬データから、仮定を置かずに速度分布を再構成できることを実証する。量子センサーが、信号から局所 DM の速度分布そのものを読み解く新たな手段となりうることを論じる。
Author
Koichiro Yasuda
(UCLA)
Co-authors
Prof.
Graciela Gelmini
(UCLA)
Dr
Muping Chen
(KEK QUP)
Prof.
Volodymyr Takhistov
(KEK QUP, Kavli IPMU)