Speaker
Kin-ya Oda
(Tokyo Woman's Christian University)
Description
ニュートリノはいつ振動を始めるのか。波束場の量子論で振幅の積分を鞍点法で評価すると、伝播時間に閾値があり、それを超えて初めて中間状態が「実在として」伝播し、振動が立ち上がる。これは、Jacob–Sachs(Grimus–Stockinger)定理が扱ってきた長時間極限を、より短い伝播時間まで広げたものである。閾値より手前では、中間粒子はマクロな距離を進めず、純粋に仮想的な状態にとどまる。この実伝播と仮想伝播の境目はニュートリノに限らず一般の不安定粒子に現れ、伝播する粒子どうしの干渉も見通しよく捉えられる。さらに、これまで後付けの処方として置かれてきた伝播時間の積分、そして見落とされてきた伝播距離の積分が、いずれも外部波束の中心位置についての積分から自然に導かれることを示す。
Authors
Juntaro Wada
(Tohoku University)
Kenji Nishiwaki
(Shiv Nadar Institution of Eminence, Delhi NCR)
Kin-ya Oda
(Tokyo Woman's Christian University)