Speaker
Tomoharu Tahara
(Hiroshima-university)
Description
本研究は、フレーバー固有状態をレプトン数によって定義し、マヨラナニュートリノのカイラル振動確率を場の量子論に基づいて定式化する。ニュートリノのフレーバー固有状態はマヨラナ質量項の下でのハミルトニアンではレプトン数は保存しないため、レプトン数の固有状態は各時刻で刻々と時間変化する。このため、遷移振幅はニュートリノが生成される時刻におけるフレーバー固有状態とニュートリノが観測される時刻におけるフレーバー固有状態の内積で記述される。本研究では、Bogoliubov変換を導入することによって異なる時刻におけるフレーバー固有状態の時間発展を表すことに成功した。この手法により、ニュートリノ振動が引き起こすレプトン数の時間変化を遷移確率によって理解することが可能になった。本発表では、新たに定式化したニュートリノ振動確率や、それに伴う新たな物理描像を説明する。
Primary author
Tomoharu Tahara
(Hiroshima-university)