Speaker
Kei SHIBATA
Description
素粒子標準模型は多くの実験事実を説明できているという点で成功を収めているが、物質反物質非対称性やニュートリノ質量、ダークマター等の説明不可能な現象も存在しているため、標準模型を超えた理論が必要である。
本研究では標準模型を超える理論としてSO(10)×U(1)大統一理論を採用し、この枠組みでのレプトン数生成シナリオによって物質反物質非対称性やニュートリノ質量を同時に説明する。特に、先行研究では考慮されていなかった第二世代の右巻きニュートリノの効果を含めることでレプトン数が増加することを示し、観測されているバリオン数非対称性との整合性から、最も軽い右巻きニュートリノの質量を明示した。また、先行研究であるE6×U(1)大統一理論との比較も行う。
本研究はSO(10)大統一理論における熱的レプトン生成の可能性を提案しつつ、レプトン数生成過程にて新たな寄与を考慮する必要性を支持するものである。