Speaker
Mr
Kiyoto Ogawa
(Nagoya)
Description
CPの破れに感度のある観測量である電子の電気双極子能率(EDM)は、実験の精度が大幅に向上しているため、TeVスケールの標準模型を超えた物理(BSM)を探索できることが期待されている。本研究では、BSMフェルミオンとスカラーによるCPを破る湯川相互作用が2ループで生成する電弱ボゾンのCPを破る次元6の演算子(電弱ワインバーグ演算子)をスカラー粒子に依存しない形式で評価した。そして、この電弱ワインバーグ演算子が誘起する電子EDMへの寄与を計算した。この寄与はスカラーがBSMスカラーである場合は3ループで表れる新しい寄与である。一方で、スカラーがヒッグスの場合は、新物理模型が誘起する電子EDMの代表的な2ループの寄与であるBarr-Zee diagramへの1ループの輻射補正と同じループ次数なので、Barr-Zee diagramへの高次補正となる。我々は、この寄与の重要性を検証し、BSM模型による電子EDMへの3ループの寄与が今後の実験で検証可能になることを示唆する。
Primary authors
Prof.
Junji Hisano
(Nagoya University)
Mr
Kiyoto Ogawa
(Nagoya)
Naohiro Osamura
(Nagoya University)
Tatsuya Banno
(Nagoya University)
Dr
Teppei Kitahara
(Chiba University)