Speaker
Ryuhei Mori
(Nagoya University)
Description
古典論とは対照的に量子論において状態は連続的な自由度を持つ。一方でスタビライザー状態は代数的に定義された量子状態のクラスであり、離散的な自由度しかもたない。スタビライザー状態はエンタングルメントなどの基本的な性質を持つ量子状態(例えばベル状態)を含み、量子誤り訂正符号や測定型量子計算などの量子情報処理において重要な役割を果たす。スタビライザー状態は1990年代後半に定義されたが、その約10年前にフランスの数学者 André Bouchet によって数理的に等価なものがマトロイド理論の文脈で定義されていた。また関連して、グラフマイナー理論と類似したグラフ頂点マイナーの理論が2005年頃から研究されている。本発表ではこれらの数学的概念が量子情報とは独立に発展してきた歴史と量子情報研究との関係について紹介する。
Primary author
Ryuhei Mori
(Nagoya University)
Co-authors
Soh Kumabe
(CyberAgent)
Yusei Yoshimura
(Science Tokyo)