Speaker
Jaeha Lee
(University of Tokyo)
Description
量子論における不確定性の研究は、この一世紀ほどの間に様々な深化や精密化の姿を見せ、また多彩な様相を呈するようにもなった。本講演では、量子論における不確定性の三つの典型的様式である量子ゆらぎ、測定精度、および観測効果の関係を概観し、これらの代償関係を誘起するところの普遍的構造を吟味することで、不確定性原理の統一的な定式化の可能性を探る。とりわけ、現代的な量子測定理論や量子情報理論における標準的な前提に照らした不確定性原理の普遍性に触れ、また量子論の不可能定理におけるその含意を再訪する。
Primary author
Jaeha Lee
(University of Tokyo)