Speaker
Taiga Suzuki
(東京科学大学 理学院物理学系)
Description
量子測定は一般に、測定対象の量子状態に擾乱を与える。しかしながら、特定の条件を満たす測定においては、その擾乱を確率的に逆転し、元の量子状態を回復することが可能であることが知られている。さらに、こうした可逆的測定に限らず、他にも特殊な回復が可能な例が発見されており、これらはより一般的な回復過程の存在を示唆している。これらの過程に共通する特徴は、測定結果を記録したメモリの情報が消去されるという点である。本研究では、この「メモリの情報の消去」に着目し、情報消去を引き起こすような一般の操作について検討する。さらに、メモリを環境とみなすことで、システムの情報保護という観点から、一般的な量子誤り訂正との関連も議論する。以上により、量子情報の保持と制御に関する新たな視点を提供することを目指す。
Primary author
Taiga Suzuki
(東京科学大学 理学院物理学系)
Co-author
Dr
Masayuki Ohzeki
(東京科学大学 理学院物理学系/東北大学大学院 情報科学研究科/熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構/株式会社シグマアイ)