Speaker
Yuki Seno
(Hiroshima University)
Description
量子力学において位置と運動量は非可換であるので、異なる時刻の位置は同時に定まらない。量子的な粒子が物理的にどのように伝播するのか、というのは興味深い問題である。
これに関し我々のグループでは、粒子の位置と運動量の両方の制御によって、量子的な粒子の直進性の検証が可能となることを理論的に示した。位置の幅を制限した状態と運動量の幅を制限した状態との重ね合わせ状態の自由粒子の伝播を考える。このとき両者の幅の制御を行うと、慣性の法則から導かれる不等式の破れが見える可能性がある。
近年、小野らにより、弱いコヒーレント光とマッハツェンダー干渉計を用いた実験が行われ、量子論を支持する結果が示された。しかし測定確率や誤差の評価について課題が残されたままである。
そこで我々は二光子発生で生成された一方の光子と、安定なサニャック干渉計によって、実験の高精度化を目指している。その最初の段階として、干渉計の構築、弱いコヒーレント光による状態の生成、および単一光子検出による測定を行った。
Primary author
Yuki Seno
(Hiroshima University)
Co-authors
Mr
Hiroki Yamakami
(Hiroshima Universeity)
Prof.
Holger Hofmann
(Hiroshima University)
Prof.
Masataka Iinuma
(Hiroshima University)