Speaker
Itsuki Narita
(芝浦工業大学システム理工学部機械制御学科)
Description
一般確率論(General Probabilistic Theories: GPTs)は,古典論や量子論を包含する,操作主義的に最も一般的な確率モデルを扱う理論的枠組みである.この一般性ゆえに,GPTsは量子論の原理的基盤の探究や,情報処理における本質的な特徴の解明に向けた有効な理論的基盤として期待されている.
情報理論において重要な量であるエントロピーは,GPTsの枠組みにおいては異なる側面を捉える3種類の定義($S_1$,$S_2$,$S_3$)が知られている [1][2][3].一方で,情報取得の限界を一般化する手法として,任意のエントロピーから新たなエントロピーを導出する「誘導エントロピー法」が提案されている [4].興味深いことに,二次元正四角形モデルにおいては,誘導エントロピー法によって異なるエントロピー同士の関係が明らかになることが示されている.
本研究では,このようなエントロピー間の関係性がより一般的な構造として成立するかどうかを,正多角形モデルなどの例を通して検討する.
[1] G. Kimura, K. Nuida, H. Imai, Rep. Math. Phys. 66, 175 (2009).
[2] H. Barnum et al., New J. Phys. 12 033024 (2010).
[3] A. J. Short, S. Wehner, New J. Phys. 12 033023 (2010).
[4] G. Kimura, J. Ishiguro, M. Fukui, Phys. Rev. A 94, 042113 (2016).
Primary author
Itsuki Narita
(芝浦工業大学システム理工学部機械制御学科)
Co-authors
Gen Kimura
(Shibaura Institute of Technology)
Hayato Arai
(The University of Tokyo)
Yui Kuramochi
(Kyushu University)