Speaker
浩章 示野
Description
「行える操作に制限がある場合にどのような変換が許されるか」を特徴づけるのは、物理学における重要な問題の一つである。従来、量子エンタングルメントや量子マジックなどの多くの制限下では、多量のnoisyなチャネルから少量のpureなチャネルへのチャネル蒸留変換について、インプットの個数$n$とアウトプットの個数$m$との比$m/n$によって決まる線型レートでの変換境界が知られていた。また量子測定については解析の困難さなどから、制限下での測定変換が未研究であった。本研究では、エネルギー保存則(時間並進対称性)の制限下で、量子チャネルと量子測定の漸近蒸留変換を考察した。エネルギー保存下ではエネルギー基底間の量子コヒーレンスを0から生成できないという制約がある。このエネルギー保存の下での解析の結果、量子チャネル・測定ともに$m/\sqrt{n}$で決まる"ルートレート"という、他の制限下での結果とは質的に異なる変換境界が出現した。
Primary authors
浩章 示野
直人 白石
隆司 髙木