Speaker
Daiki Komoto
(Institute of Science Tokyo)
Description
スケーラブルな量子誤り訂正は、大規模量子計算を実現する上で中核的な役割を担う。本発表では、置換行列型の量子 low-density parity-check(LDPC)符号に対し、高ガース構造を導入し、多元の joint belief propagation(BP)復号を適用することで、量子容量の下界であるハッシング限界に迫る誤り訂正性能を実現した結果を報告する。特に、復号計算量を物理量子ビット数に比例させつつ、急峻なフレーム誤り率(FER)曲線と深いエラーフロアの両立に初めて成功した点が特徴である。さらに、より広範な符号レートにおいても、比較的単純な2元の joint BP 復号により急峻な FER 曲線遷移が観測されたことを報告する。エラーフロア領域では、符号構造中のトラッピングセットが支配的な誤り原因となっている可能性が示唆されており、今後の低誤り率領域における符号設計に新たな指針を与えると期待される。これらの成果は、スケーラビリティと高性能を兼ね備えた量子誤り訂正符号の構築に向けた、一つの有望な可能性を示すものである。
Primary author
Daiki Komoto
(Institute of Science Tokyo)
Co-author
Prof.
Kenta Kasai
(Institute of Science Tokyo)