Speaker
Ryotaro Fukuzumi
(Kyushu University)
Description
重力が量子力学の法則に従うのかという問題については未だ実験的な検証がなされていない。この点に関連して、2017年にBoseらは位置の重ね合わせ状態にある2つの質量体が重力を介して相互作用することで量子もつれを生成する理論モデルを提案した[1, 2]。量子もつれは古典相互作用では生じ得ない量子的相関であるため、重力を通じて量子もつれが生じることが確認できれば、重力場が量子的性質を持つ直接的な証拠となる。
このような背景のもと、近年ではオプトメカ系(光学的機械共振系)が注目を集めている。これは光共振器と懸架鏡から構成され、光子と鏡の相互作用をにより鏡の量子状態を制御するモデルである。本研究はオプトメカ系を用いた重力誘起量子もつれ生成の検証を目的としている。
従来の研究では特定の条件下における量子もつれのみが解析されていた。これに対し本研究では、より一般的な設定においてより強いもつれが得られる領域の探索とそのメカニズムの解明に取り組んでいる。本発表ではその研究の進捗について報告する。
[1] S. Bose et al., PRL 119, 240401 (2017)
[2] C. Marletto & V. Vedral, PRL 119, 240402 (2017)
Primary author
Ryotaro Fukuzumi
(Kyushu University)
Co-authors
Dr
Daisuke Miki
(California Institute of Technology)
Prof.
Kazuhiro Yamamoto
(Kyushu University)
Kosei Hatakeyama
(Kyushu University)