Speaker
Horiuchi Shuma
(Waseda University)
Description
近年、量子状態の精密な制御を実現する手法として断熱量子制御が注目を集めている。しかし、断熱制御はその性質上、長い時間を必要とし、環境との相互作用によるデコヒーレンスの影響を受けやすいという課題がある。こうした課題を克服する手法として、短時間で断熱的な遷移を実現する断熱ショートカット(Shortcuts to Adiabaticity, STA)が理論的・実験的に研究されている。本研究では、STAの代表的な手法であるカウンターダイアバティック駆動(Counterdiabatic Driving, CD)に着目する。CDは、元のハミルトニアンに補助的なCD項を加えることで、非断熱な遷移を抑制する制御手法であるが、実際の制御場にノイズが含まれることは避けられない。本研究では、CD項にホワイトノイズ的な揺らぎが加わった場合を想定し、そうした揺らぎが非断熱遷移に与える影響を数値計算および摂動計算を用いて解析する。CD制御の実装上のロバスト性を評価することを目的とする。
Primary author
Horiuchi Shuma
(Waseda University)