Speaker
Kenji Shimomura
Description
非エルミート表皮効果は非正規演算子に特有の固有ベクトル局在現象である。量子系においては散逸や測定の下での連続時間発展の生成演算子が一般に非正規であり、生成演算子の非エルミート表皮効果とダイナミクスとの関係に興味がもたれている。非エルミート表皮効果は一粒子系ではよく理解されているが、一般の系における定式化は未解明な部分が多い。本研究では、量子多体系やネットワーク系を含む一般の有限次元系に対して適用可能な非エルミート表皮効果の規準を提案する。さらに、この規準の下で固有ベクトルの非直交性の指標である条件数という量を下から評価する。時間発展演算子のノルムは生成演算子の条件数を用いて評価できる。このため、条件数を媒介することで、非エルミート表皮効果と開放量子系のダイナミクスの過渡的性質との関係を一般的に議論することが可能になる。
Primary author
Kenji Shimomura
Co-author
昌利 佐藤