Speaker
Ayumi Ukai
(Kyoto University/ RIKEN RQC)
Description
スペクトルギャップのある基底状態に対する近似基底状態射影(AGSP)の一つの構成法として、ハミルトニアンの多項式を用いる方法がある。しかし、ハミルトニアンのノルムが大きいと、無限系に特有の技術的困難が生じたり、多項式近似の計算効率が悪化したりする。 そこで、ノルムの小さい代替ハミルトニアンを導入するという有効ハミルトニアンのアイデアが用いられる。有効ハミルトニアンは、注目する平衡状態に対してエネルギー的に遠い領域の寄与をカットオフすることで定義される。 本研究では、元のハミルトニアンと有効ハミルトニアンのスペクトルが、平衡状態近傍においてほとんど変化しないことを厳密に証明する。特に、スペクトルギャップを持つ基底状態が、有効ハミルトニアンにおいてもスペクトルギャップ付き基底状態として保存されることを示す。
Primary author
Ayumi Ukai
(Kyoto University/ RIKEN RQC)