Speaker
Ryo Yokokura
Description
対称性と保存量は場の量子論において重要な役割を果たす。近年、保存量すなわち連続変形で値を変えないトポロジカルな量の存在によって対称性を定義する「一般化対称性」と呼ばれる概念が提案された。一般化対称性は場の量子論における相構造の分類などに応用され、現在でも盛んに研究されている。
本講演では、アクシオン電磁気学を具体例として一般化対称性とその応用を説明する。アクシオン電磁気学はアクシオン場が電磁場に量子異常を通じて結合した系で、素粒子論をはじめ、宇宙論やハドロン物理、物性系など幅広い分野に現れる。この系では、時間変化するアクシオン背景場や外部電場の元で、電磁場やアクシオン場が指数関数的に成長しヘリカル磁場などの配位が生成される現象が知られている。一般化対称性を用いることで、このような配位の安定性を対称性の観点から保証できることを議論する。