Speaker
Yoh Tanimoto
(Università di Roma "Tor Vergata")
Description
代数的場の量子論は、場の量子論の作用素環による数学的な公理的な枠組みの一つである。そこでは、場の量子論のモデルは、時空の各領域に作用素環を対応させる写像として定義される。各領域の作用素環は、その領域で観測できる物理量が生成する環と解釈される。このような抽象的な枠組みからも、散乱行列、相互作用の有無、2つの状態の間の相対エントロピーなどを定義することが可能である。現実的な場の量子論の構成が困難な中、場の量子論とは数学的にどんなものであるべきかを調べるために考えられた枠組みであるが、構成的場の量子論や、近年の共形場理論発展によって、低次元時空では多くの例が作られてきた。近年になって、場の量子論での測定を論じる試みも発展してきている。本講演では、これらに関係した基礎的な問題と今後の展望を概観する。
Primary author
Yoh Tanimoto
(Università di Roma "Tor Vergata")