Speaker
Koji Tsumura
(Kyushu U.)
Description
隠れた対称性の自発的破れに由来する擬南部ゴールドストンボソン(pseudo-Nambu-Goldstone boson, pNGB)は、対称性の構造により標準模型粒子との相互作用が自然に抑制されることから、最新の暗黒物質(DM)直接検出の観測制限とも高い整合性を持つため有望なDM候補である。これまでに提案されたpNGB DM模型では、DMの安定性はZ2またはU(1)にもとづいていた。(もしくは長寿命の崩壊する暗黒物質が議論されてきた。)本講演で提案するZ3で安定化するpNGB DMは半対消滅過程を特徴とするため新たなパラメタ空間を許容する。これまで、pNGB DM模型は非相対論的なDMの散乱断面積は速度の4乗で抑制されており、その検証は不可能とされてきたが、Z3模型では半対消滅で加速されるためDMの断面積が増大する。残念ながら、半対消滅による加速ではDUNEで検出するには十分でないことがわかった。他の加速機構を用いた検証可能なpNGB DM模型についても言及したい。
arXiv:2504.19886(JHEP掲載決定)