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Description
POVM によって記述される量子測定は,量子状態から古典的な測定結果を得る過程である.近年,リソース理論の観点から,どのような測定が量子情報処理において有用なリソースとなるかが研究されている.例えば,適切な入力状態を選ぶことで各測定結果を確率 $1$ で得られる,すなわち測定結果を「予言」できる sharp POVM は,tuning game と呼ばれる情報処理におけるリソースとして特徴づけられている.
本研究では,測定結果を「予言する」能力ではなく,測定結果を「排除する」能力に着目する.特に,各 POVM 要素が固有値 $0$ をもつ rank-deficient POVM を考える.このような測定では,適切な入力状態を選ぶことで,ある測定結果が決して生じないようにできる.sharp POVM がある結果を確率 $1$ で出力するとき,他のすべての結果を排除していることから,rank-deficiency は sharpness よりも弱い,より広い性質とみなせる.この排除能力を評価するため,本研究では POVM に対して定量化の族 $\epsilon_r~(r=1,\ldots,|\mathcal{X}|-1)$ を導入する.ここで,$|\mathcal{X}|$ は POVM の測定結果の個数,$r$ は同時に排除したい測定結果の個数を表す.$\epsilon_r$ は,任意の $r$ 個の測定結果をどの程度完全に排除できるかを測る量であり,$\epsilon_r$ がゼロであることは,任意に選んだ $r$ 個の測定結果をある入力状態によって同時に完全排除できることと同値である.また,$\epsilon_r$ は自明な POVM に対して最大値を取り,quantum pre-processing および bistochastic classical post-processing のもとで単調性を満たす. さらに,$\epsilon_r$ と one-shot 量子情報処理タスクである conclusive state exclusion との関係を示す.具体的には,$\epsilon_r$ がゼロである POVM を用いることで,$r$ 個の affine independent な量子状態を一回の測定で決定的に排除できる.