Aug 3 – 7, 2026
京都大学基礎物理学研究所
Asia/Tokyo timezone

重力量子もつれ検出に向けた条件付き状態推定とパルス測定

Not scheduled
20m
湯川記念館 Y206, Y306 (京都大学基礎物理学研究所)

湯川記念館 Y206, Y306

京都大学基礎物理学研究所

ポスター ポスター②

Speaker

原口 慶久 (九州大学)

Description

重力の量子性を検証する試みとして、重力相互作用によって誘起される量子もつれの検出を目的としたBMV実験などが提案されている。その実証基盤として、光学機械振動子系(オプトメカ系)を用いた量子制御が注目されている。微弱な重力相互作用に由来する量子もつれを観測するためには、超低散逸・低温環境の実現によるデコヒーレンスの抑制に加え、強い量子もつれを生み出すことは実験に有利と考えられる。その有力な手法の一つが条件付き状態推定である。これは、測定結果を用いて観測対象の状態を逐次推定し、条件付き共分散を最小化しながら状態を追跡する手法である。
関連する先行研究[1]では、オプトメカ系において光の連続測定による条件付き状態推定を行い、運動量を標準量子限界以下までスクイーズすることで位置ゆらぎを増大させ、重力相互作用による量子相関を促進することにより、条件付き状態における量子もつれが増強されることが示されている。しかし、連続測定では測定の反作用に伴う輻射圧ノイズが連続的に作用するため、状態推定精度やスクイージング性能を制限する要因となる。
本発表では、先行研究[1]をレビューするとともに、連続測定に基づく条件付き状態推定をパルス測定の枠組みへ拡張した理論について報告する。パルス測定では、連続的な輻射圧ノイズの影響を抑制できる一方、測定間隔中には環境との相互作用による熱揺らぎが蓄積し、共分散が増大するという課題がある。本発表では、パルス測定にって得られる条件付き量子状態に対する定式化を行い、連続測定との比較を通じて、重力量子もつれ検出に適した測定条件と、両手法の優位性およびトレードオフについて議論する予定である。
[1] R. Fukuzumi, K. Hatakeyama, D. Miki, K. Yamamoto, Phys. Rev. Res. 8, 023039 (2026)

Author

原口 慶久 (九州大学)

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