Speaker
Akihiro Hokkyo
(the University of Tokyo)
Description
量子測定や量子制御には、対称性に由来する根本的な制約が存在する。Wigner–Araki–Yanase(WAY)定理はその代表例であり、対称性を破る射影測定やユニタリゲートの正確な実装を禁止する。その定量的拡張は、連続対称性のもとで、生成子、すなわち保存量の揺らぎを通してこの制約を特徴づけてきた。一方で、生成子に基づく評価は、離散的なユニタリ対称性や反ユニタリ対称性には適用できない。
本発表では、任意のユニタリ対称性および反ユニタリ対称性のもとで、対称性を破る射影測定・ユニタリゲートの実装精度に対する定量的な WAY 型定理を示す。鍵となるのは、二つの標的操作に対する no-programming 不等式である。単一のプロセッサが識別可能性を増幅する二つの操作を近似的に実装できるならば、対応するプログラム状態も十分に識別可能でなければならない。
この不等式を対称な実装に適用することで、測定やゲートの実装誤差を、アンシラ状態に必要な非対称性の下限へと直接結びつける。非対称性は、アンシラ状態とその対称変換後の状態との fidelity により定量化される。本結果は、離散対称性および反ユニタリ対称性を含む広い対称性に適用可能であり、対称性に制限された量子測定・量子制御の基本限界を、連続対称性の枠組みを超えて明らかにする。
Author
Akihiro Hokkyo
(the University of Tokyo)