Aug 3 – 7, 2026
京都大学基礎物理学研究所
Asia/Tokyo timezone

Session

ポスター

Aug 4, 2026, 3:30 PM
湯川記念館 Y206, Y306 (京都大学基礎物理学研究所)

湯川記念館 Y206, Y306

京都大学基礎物理学研究所

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  1. Yoshihiko Abe (慶應義塾大学)
    ポスター

    散逸を持つような開放系の非可換ゲージ理論記述するため、Schwinger--Keldysh形式に基づくボトムアップな開放有効場理論(open EFT)の枠組みを提案する。
    我々は、動的なcolor frameなどの遅い環境応答変数をあらわに残すことで、局所的なsystem-(retained)environment EFTを構築した。
    このセットアップにより、非局所的かつ非マルコフ的なカラー応答の、ゲージ共変なMarkov embeddingが可能となる。
    これらの自由度を遅延境界条件のもとで積分消去すると、非局所的な散逸と確率論的ノイズが自然に再現されることを示す。
    本発表は西井莞治氏との共同研究 arXiv:2605.22822 に基づく。

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  2. Abdullah Alsharari (Department of Mathematical Informatics, Nagoya University)
    ポスター

    Abstract

    Buscemi et al. [PRX Quantum 6, 020316 (2025)] introduced the notion of genuine information backflows, namely information revivals in non-Markovian open quantum dynamics that cannot be explained by pre-existing correlations. However, that framework assumes that the system can be initialized in arbitrary quantum states, thereby excluding physically relevant settings in which the...

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  3. Dr Kenta Koshihara (Waseda University)
    ポスター

    近年盛んに研究が行われている有限時間周期の量子熱機関では,量子系を熱浴と接触させる量子熱接触過程が重要な役割を果たす.従来の研究では,詳細つり合い条件を満たす遷移率で量子系がエネルギー固有状態間を遷移するGKLS型量子マスター方程式によって量子熱接触過程が記述されてきた.しかし,詳細つり合い条件は量子熱接触過程に要請されるGibb状態保存を満たす十分条件だが,必要条件ではない.そこで,本研究では,GKLS型量子マスター方程式で記述される1量子ビット系の量子熱接触過程をGibbs状態保存が成り立つ範囲で一般化し,量子力学の確率保存則との整合性を保ったうえで,必ずしも詳細つり合い条件を満たさない量子熱接触過程を構成する.詳細つり合い条件を破る量子熱接触過程のもとでは,熱接触に伴う量子重ね合わせ状態の緩和が抑えられ,特に,熱接触の途中で量子重ね合わせ状態が一時的に生成され得ることを示す.そ...

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  4. 遼吾 原 (電気通信大学 基盤理工学専攻 遠藤研究室)
    ポスター

    トポロジカルバンド模型の代表例であるHaldane模型を対象に,時間反転対称性および空間反転対称性に関する非平衡ダイナミクスを解析する.特に,異なるChern数を持つ相の間の量子クエンチを考え,対称性の動的過程を,量子情報的指標であるエンタングルメントアシンメトリー(EA)を用いて定量化する.EAは,部分系の縮約密度行列が対象とする対称変換のもとでどの程度非対称であるかを測る量であり,局所観測量だけでは捉えにくい量子状態の対称性の構造を反映する.本研究では,このEAを反ユニタリな対称性に拡張し,トポロジカル模型における非平衡ダイナミクスを解析する.

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  5. 池上 草玄 (東京大学工学系研究科物理工学専攻)
    ポスター

    量子状態を情報理論的な観点から理解する試みは物性物理や量子情報の双方に新たな知見をもたらしてきた。例えば量子状態のエンタングルメントを特徴づける量であるエンタングルメントエントロピーは、中心電荷やトータル量子次元といった量子相の本質的な情報をエンコードすることが知られている。しかし、エンタングルメントエントロピーはモジュラーハミルトニアンのスペクトル全体を一つの数値に縮約したものであり、そこに含まれるより詳細な情報は捨象されてしまう。従って、モジュラーハミルトニアンそのものを解析することができればエンタングルメントエントロピーを超えた情報を抽出できる可能性がある。一方、近年量子多体系のカオス性や複雑性を特徴づける指標としてクリロフ複雑度が注目されており、演算子や量子状態の時間発展がクリロフ空間上でどのように広がるかを定量化する。本研究では、この時間発展の生成子としてモジュラーハミルト...

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  6. Kenji Shimomura (Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University)
    ポスター

    We consider Lindblad dynamics of quantum spin systems on infinite lattices and define a nonequilibrium steady state (NESS) and a time-averaged nonequilibrium steady state (TANESS) on the basis of C*-algebraic formalism. Generically, the NESS on an infinite system does not equal the thermodynamic limit of NESSs on finite systems. We give a sufficient condition that they coincide with each other,...

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  7. Akihiro Hokkyo (the University of Tokyo)
    ポスター

    量子測定や量子制御には、対称性に由来する根本的な制約が存在する。Wigner–Araki–Yanase(WAY)定理はその代表例であり、対称性を破る射影測定やユニタリゲートの正確な実装を禁止する。その定量的拡張は、連続対称性のもとで、生成子、すなわち保存量の揺らぎを通してこの制約を特徴づけてきた。一方で、生成子に基づく評価は、離散的なユニタリ対称性や反ユニタリ対称性には適用できない。

    本発表では、任意のユニタリ対称性および反ユニタリ対称性のもとで、対称性を破る射影測定・ユニタリゲートの実装精度に対する定量的な WAY 型定理を示す。鍵となるのは、二つの標的操作に対する no-programming...

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  8. Ryota Matsuda (The University of Tokyo)
    ポスター

    Characterizing a quantum system through the lens of quantum resources provides a way of understanding many-body states in terms of operational structures that are not directly captured by local observables. While quantum entanglement serves as a paradigmatic example with well-established field-theoretical foundations, recent studies have shown that quantum magic, a resource for universal...

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  9. 鏡原 大地 (中央大学)
    ポスター

    非スタビライザー性は量子計算で中心的な役割を果たす。Gottesman-Knillの定理によりスタビライザー状態は古典コンピューターで効率的にシミュレートできるので、非スタビライザー性は古典計算を凌駕する量子計算を実行するためのリソースである。そのようなリソースを定量化する量の一つとして、スタビライザーレニーエントロピーが知られている。ハイパーグラフ状態は、グラフ状態を一般化した量子状態であり、量子優位性、測定型量子計算、トポロジカル相の研究など、多くの量子物理の領域で有用な状態である。本研究では、3一様ハイパーグラフ状態のスタビライザーレニーエントロピーを調べた。3一様ハイパーグラフ状態とは全ての量子ビットを$|+\rangle$に準備し、CCZゲートを作用することで生成される状態である。3一様ハイパーグラフ状態のスタビライザーレニーエントロピーが行列ランクを用いて表現できることを...

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  10. Rikuya Kobashi (Kyoto University)
    ポスター

    熱力学エントロピーは状態量である一方、操作的に定義される。本研究では、平衡状態間の微視的ユニタリ操作を二準位ゲートで構成し、その最小ゲート数からエントロピーを与える変分表現を導く。さらに深さ複雑性と熱力学的距離の関係を示す。

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  11. 宏太 藤井 (九州大学)
    ポスター

    量子力学と一般相対論を統一する理論が研究されており、その候補として超弦理論やループ量子重力理論などが提唱されている。しかし、完全な理論は未だ確立されておらず、プランクスケールにおける直接的な実験検証も困難である。そのため、低エネルギー領域に現れる普遍的な効果を通じて、重力が量子力学に従うかを検証することが重要となる。
    本発表では、低エネルギー領域で現れるソフト重力子に注目し、二経路量子干渉系におけるその役割を議論する。先行研究に基づくと、重ね合わせ状態にある荷電粒子と、荷電粒子から放出されるソフト光子が量子的にもつれることで、荷電粒子の状態にデコヒーレンスを引き起こすことが示されている。本発表では、この枠組みを重力子へ拡張し、質量をもつ粒子とソフト重力子がもつれることで生じるデコヒーレンスを解析する。
    理論的には、粒子のエネルギー・運動量テンソルとTT射影演算子を導入し、影響汎関...

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  12. Koki Ono (University of Tokyo)
    ポスター

    熱力学第二法則は物理学において最も確立された基本原理の一つであり、どのような理論が自然を記述しうるのかを制約する原理としても機能する可能性がある。この問題を探る枠組みとして有用なのが一般確率論である。一般確率論は、古典論や量子論だけでなく、それらを超える仮想的な理論も含め、測定結果を確率的に記述するあらゆる理論を統一的に扱う。しかし、その多くは既知の物理理論から大きく逸脱しているため、熱力学との整合性などの原理によってその許容範囲を制限することが重要となる。

    本発表では、一般確率論において、測定、フィードバック、情報消去を含む過程を包括的に扱う情報熱力学の枠組みを構築する[1]。特に、測定過程に伴うエントロピー変化に着目し、それが仕事の取り出しとどのように関係するのかを明らかにする。

    具体的には、測定過程がエントロピー非減少性を満たす限り、一般確率論においても第二法則に反...

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  13. Haruki Yamashita (芝浦工業大学)
    ポスター

    量子力学における不確定性関係は,通常,複数の非可換な物理量の不確定性のトレードオフとして理解される.これに対し本研究では,既知の量子状態に基づいて単一物理量の分散を古典的成分と非古典的成分に分解し,その非古典的成分に対する単一物理量の状態準備型不確定性関係を定式化する[1,2].
    具体的には,まず,状態 $\rho$ と可換な測定で得られる古典的情報を用いた推定の枠組みを導入し,その情報から説明・推定できる分散を取り除くことで,非可換性に由来する不確定性の成分を操作的に特徴づける.次に,有限次元量子系の状態 $\rho$ と物理量 $A$ に対し,この非古典的成分を $[A,\rho^s]\,(\frac{1}{2}\leq s)$,および Wigner--Yanase--Dyson 歪情報量によって下から評価する.このとき係数は固定された状態 $\rho$...

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  14. Mr Kaito Kashiwagi (Kyushu university)
    ポスター

    近年、量子制御・量子センシング技術は著しく発展してきている。それに伴い、重力波などの弱重力的影響を量子系を用いて検出しようとする試みが提案されている。そこで、我々は原子の散逸現象、特に自然放出現象に着目する。自然放出は真空状態にある量子場との結合で起こる現象である。その際、重力相互作用は万物に働く普遍的な相互作用であるため、量子場および原子に影響を与え、その結果、自然放出プロセスが変化し、特に自然放出率にその重力的影響が現れると考えられる。そのため、自然放出現象は弱重力的影響を検出できるプローブとして機能すると期待される。
    これらの背景から、本研究ではNewton弱重力場上での2準位原子の自然放出現象を開放量子系の理論に基づくアプローチで調べ、自然放出率に現れる重力補正の定式化を行う。本発表では、当日までに得られた結果について発表する。

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  15. Teruaki Nagasawa (Kanazawa University)
    ポスター

    量子力学において、測定は状態への不可逆な撹乱を引き起こす。この事実は、未来を予測するプロセス(Prediction)と、測定結果から過去の状態を推論するプロセス(Retrodiction)の間に、古典確率論には存在しない非対称性を生じさせる。我々は、この(推論)非対称性を一つのリソースとして捉え、情報幾何学的な計量や定量化を議論する。

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  16. Nanami Abe (The University of Osaka)
    ポスター

    開放量子系におけるエンタングルメントのダイナミクスを理解することは、堅牢な量子情報処理の実現に向けて重要である。空間相関を持つ環境ノイズの影響は 2 体エンタングルメントについては広く研究されているものの [1]、真の多体エンタングルメントに対する影響は、SLOCCに基づくもつれクラスの分類や解析の複雑さゆえに、十分には解明されていない [2]。
     そこで本研究では、空間相関を有する純位相緩和ノイズを伴う 3 量子ビット系のエンタングルメントダイナミクスを理論的に解析した。具体的には、3 次元ボゾン環境と結合する 3...

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  17. 宮川 尭大 (芝浦工業大学)
    ポスター

    測定結果の確率分布から量子状態を一意に決定する方法は,量子状態トモグラフィーと呼ばれる.特に,単一のPOVM測定の測定結果から量子状態を決定できるとき,そのPOVMは情報完全であるという.$D$ 準位量子系において,一般の混合状態に対する情報完全POVMには,自由度の観点から少なくとも$D^2$ 個の要素が必要である.一方,対象を純粋状態に制限すると,状態の自由度が減少するため,より少ない測定結果数で情報完全性が実現できると期待される.そこで本発表では,純粋状態に対する情報完全POVMの最小測定要素数について議論する.
    $D$ 準位量子系における純粋状態を記述するには,規格化条件と位相の不定性を考慮すると,$2D-2$ 個の実パラメータが必要である.したがって,素朴には,純粋状態に対する情報完全性を持つためには,確率の規格化条件を考慮して,少なくとも$2D-1$...

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  18. Kosei Hatakeyama (Kyushu University)
    ポスター

    重力の量子性を検証法の一つとして、重力により誘起される量子もつれ(gravity-induced entanglement, GIE)の観測が注目されている。GIE の検出には、極めて弱い重力相互作用によって生じる量子相関を、熱雑音や測定雑音の存在下で有限時間内に読み出す必要がある。そのため、理想的な定常状態でのもつれだけでなく、有限時間の連続測定からどの程度安定にもつれを検出できるかを評価することが重要である。

    本研究では、ニュートン重力により結合した二つの機械振動子を対象に、連続ホモダイン測定による GIE の有限時間検出可能性を数値的に評価した。系を common mode および differential mode に分解し、熱雑音、ショット雑音、輻射圧雑音、およびそれらの相関を含む確率的時間発展を計算した。得られた有限時間のホモダイン測定記録から、Welch 法と...

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  19. Dr 中島 翔平 (東京理科大学), 小林 光木 (成蹊大学)
    ポスター

    本発表では, 次の密度行列空間 $\mathcal{D}(\mathbb{C}^d)$ 上の拡散型確率マスター方程式を扱い, パラメータ $\theta=(\alpha,\beta)\in\Theta$ に関する推定の問題を扱う:

    $$ d\rho_t^\theta = \mathcal{L}^{\theta}(\rho_t^\theta)\,dt + \mathcal{H}^{\beta}(\rho_t^\theta)\cdot d\mathbf{W}_t,\qquad 0\leq t\leq T. $$ ただし, $\Theta$ は有限次元ユークリッド空間内のコンパクトかつ内点を持つ凸集合とし, $\mathbf{W}_t$ は標準 $r$ 次元ブラウン運動, 移流項の $\mathcal{L}^\theta$ は...

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  20. takeaki murata (九州大学 大学院 理学府 物理学専攻 量子宇宙物理研究室)
    ポスター

    重力の量子的性質の実験的検証は、量子重力研究における重要なテーマである。近年、その有力な手法の一つとして、物体間に生じる重力誘起エンタングルメント(gravitationally induced entanglement, GIE)が提案されている。本研究では、二体系全体のエンタングルメントを直接測定するのではなく、重力相互作用によって一方の部分系に誘起される量子状態に注目する。

    具体的には、重力相互作用する二つの量子的な鏡を考え、片方の鏡Aに猫状態を生成する模型を解析する。このとき鏡Bは、鏡Aの猫状態を構成する各状態に応じて異なる重力相互作用を受けるため、Aの猫状態に対応した重ね合わせ状態へと発展する。本研究では、この鏡Bの状態を光を用いた干渉計型の位置測定によって読み出し、鏡Aの重力に由来する量子性を評価する。さらに、測定信号の時間発展を鏡Bの purity...

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  21. Ryotaro Fukuzumi (Kyushu University)
    ポスター

    重力が量子力学の法則に従うかどうかは未だ実験的に検証されていない根本的問題である。この検証に向けて、重力相互作用のみを介して二つの量子系間に生成される重力誘起量子もつれ(GIE)が注目されている。GIE を検出するためには、巨視的質量の量子状態を制御しながら微弱な重力相互作用を高感度に読み出す必要があり、その候補としてレーザー光と懸架鏡からなるオプトメカ系が考えられている。従来の研究では、鏡の位置を連続的に測定する模型が主に扱われてきた。一方で、同じ光を鏡と二回相互作用させることで位置そのものではなく位置の時間差、すなわち運動量に対応する情報を読み出すスピードメーター型測定も提案されている [1]。この方式では、低周波領域で輻射圧バックアクションの抑制が期待されるが、GIE...

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  22. 大樹 池田 (九州大学)
    ポスター

    量子重力理論は未だ解明されておらず、その解明を阻んでいるのは重力の量子化である。一方で、量子化の際に現れる粒子、重力子を検出できれば、解明は大きく近づく。
    そのような中で、大きな磁場環境の下では電磁波が重力波へと転換し得るという現象が一般に知られている[1]。これはGertsenshtein機構と呼ばれる。従来、この転換は古典的な波動方程式の理論という枠組みの中でのみ扱われてきた。そして、電磁波もしくは光子が、重力波もしくは重力子へ、転換する確率は、極めて小さいと見積もられてきたのがこれまでの状況である。
    しかし近年、この転換現象を量子的な枠組みで捉え、光子や重力子がスクイーズ状態やコヒーレント状態にあるとして設定したとき、重力子への転換確率が大幅に上昇することが明らかになった[2]。これはすなわち、重力子の検出に向けて、まずそれが発生する機構を考えるとき、「光子・重力子転換」が...

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  23. Kosei Fujiki (Yukawa Institute for Theoretical Physics)
    ポスター

    マルチエントロピーはレプリカ法の一般化によって定義され、多体エンタングルメント測度として提案されている。本研究では、量子局所クエンチ後の多体エンタングルメントの実時間発展を、共形場理論(CFT)およびホログラフィーの両面から調べる。CFT側では、二つのヘビー演算子と三つのライトなツイスト演算子からなる五点相関関数を計算し、大きな中心電荷極限において真の三体マルチエントロピーを計算する。一方で重力側では、局所演算子クエンチはAdS時空へ落下する質量を持つ粒子によって記述される。バックリアクションを考慮した幾何を評価することで、対応するホログラフィックな真のマルチエントロピーを計算する。本講演は、田耕健也氏との最近の共同研究 arXiv:2606.12526 に基づく。

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  24. Akihiro Hokkyo (the University of Tokyo)
    ポスター

    Bell 定理と CHSH 不等式は、局所実在論が許す相関と量子エンタングルメントによる非局所相関の差異を明確にし、局所性と実在性の両立不可能性を示した。一方で、量子論にも Tsirelson 限界という越えられない上限が存在する。これに対し Popescu と Rohrlich は、no-signalling 原理の下でも CHSH 値の代数的最大値を達成する PR box を構成した。このような beyond-quantum 相関が自然界で観測されない事実は、量子論を特徴づける追加原理の探究を促してきた。 従来の議論は主として、与えられた状態または相関がどこまで強くなり得るかという静的な制約に関するものである。これに対し本研究は、beyond-quantum 理論における動的な問題、すなわち無相関な product state...

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  25. 舜 新居 (第一工科大学)
    ポスター

    2020 - 30年代は、地上と宇宙を結ぶ光学望遠鏡群による多波⻑同時観測が史上初めて実現する。そこでは、膨⼤な情報 (ビッグデータ)の適切な情報圧縮が要である。銀河画像データに注⽬すると、天球⾯上の2次元座標に波⻑/⾊ごとに特徴量 (バルジ、渦状腕、合体・衝突痕、視線⽅向の重なり、光学散乱 etc.)が重合した状態で得られる。従来の順⽅向モデルで対処するにはパターン数が膨⼤であり、現状は経験則 (Sersic則、Turry-Fisher関係、市⺠科学)に依存する。ここにさらに、観測光学系の特性(点拡がり (回折限界+⼤気乱流)、光⼦ノイズ)が加わる。我々は、画像表現空間として、4次元の位相空間を導⼊した。光学系の回折限界で定まる位相空間素⼦で正準量⼦化を⽤いて⼒学構造...

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  26. 瑞希 藤本 (北海道大学)
    ポスター

    本研究では,熱浴と線形結合した $N$サイト量子調和振動子系に対し,小系に有限準位カットオフ ($M<\infty$) を導入した近似模型を考える.弱結合極限において,熱浴との相互作用によって生じる二次の有効散逸を記述するLevel shift 作用素の虚部に着目し,その低スペクトル構造を解析することにより,$M\to\infty$での漸近的dark mode と非緩和機構との関係を考察する.
    特に,Level shift作用素虚部の漸近的核を特徴付ける条件として,熱浴とのon-shell 遷移チャネル間の打ち消しに対応するon-shell cancel 条件を導入することで,この条件を Liouvillean 準位グラフ上の局所拘束作用素として捉える枠組みを提案し,低固有値構造と非緩和モードとの関係を解析するための枠組みを与える.

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  27. 聡 菅野 (ソフトバンク株式会社)
    ポスター

    本発表では、量子誤り訂正を幾何学的射影として捉える観点から、非可換幾何に基づく一般的枠組みを紹介する。中心的な着想は、量子系を記述する幾何学的構造に対するスペクトル射影として符号空間を定義し、局所的自由度を除去しつつ大域的情報を保持するというものである。この立場では誤り訂正符号は幾何学的構造を保存する射影として理解され、局所誤りに対する大域的情報の保護が幾何学的に記述される。この枠組みは、可換幾何に対応する古典符号と非可換幾何に対応する量子符号とを統一的に扱うのみならず、両者の混合的状況をも包含する。その結果、量子誤り訂正、ホログラフィー、変形量子化をスペクトル幾何に基づく共通の言語のもとで理解する視点が得られる。本発表では、この統一的見方の基本構造を説明する。この発表はhttps://arxiv.org/abs/2601.19765に基づく。

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