Speaker
Yosuke Watanabe
(名古屋大学)
Description
量子力学では通常、位置演算子と運動量演算子が連続固有値を持つように定式化されている。一方、計算可能解析学(あるいはその公理化と見做せる逆数学)という分野では任意精度で有理数近似するプログラムと対応づけられた計算可能実数と呼ばれる高々可算個の実数達のみを考えたときに成立する定理等が調べられている。これらの状況から、位置や運動量の固有値ひいては場の理論の連続自由度等を計算可能実数やその部分クラスである多項式時間計算可能実数等に置き換えた時に量子物理学が依然として実証科学として機能するのかを調べる事は興味深く思われる。そこで本発表では計算可能解析学のうち特にスペクトル分解定理周辺の結果を紹介[1],[2]し、それを踏まえて連続固有値を計算可能実数に置き換えた場合に量子力学がどう機能するのかについて議論する。
参考文献
[1] M. B. Pour-El and J. I. Richards, Computability in Analysis and Physics. Springer, 1989.
[2] R. Dillhage, Computability of the spectrum of self-adjoint operators and the computable operational calculus. Elect. Notes Theor. Comp. Sci., Vol. 202, 2008.
Author
Yosuke Watanabe
(名古屋大学)