Speaker
Ryutaro Tsuji
(KEK)
Description
核子の構造を調べる上で、核子形状因子は非常に良いプローブである。核子形状因子は、長きにわたり、実験と理論の両面から研究されてきたにも関わらず、陽子半径パズルや核子質量・スピンの起源、核子ニュートリノ反応など、核子構造の多くは未だ解明されていない。
本講演では特に核子の軸性構造に着目して、その概観と我々の最近の格子QCD計算の結果を報告する。具体的には、3つの核子形状因子(軸性、誘導擬スカラー、擬スカラー)に着目し、格子QCDを活用した計算方法および我々の計算結果についてまとめる。さらに計算で得られた格子QCDデータを基に、PCAC関係式とそれに付随する低エネルギー関係式(一般化されたゴールドバーガー・トライマン関係式やパイオン極模型など)について議論する。
Primary author
Ryutaro Tsuji
(KEK)